軟口蓋と笑顔の関係(o^^o)

こんにちは!さらです。

歌をうたう際に「軟口蓋を上げる」モンダイがあると思うのですが
この軟口蓋の「上がる」「下がる」について、筋肉の面からちょっと考察してみたいと思います。

まず、頬を上げる(笑顔にする)と響きが良くなる!みたいな話が練習や指導でよくあるので、「上がる」方から考えてみます。

(とりあえず頬骨は骨なので上下しません。念のため!)

で、頬骨まわりが「上がって見える」ために動く主な筋肉の1つ大頬骨筋があります。
そしてこれらと口輪筋(唇をすぼめる筋肉)を介して、深層の頬筋が連動して動きます。
(そもそも頬筋は頬まわりの筋肉の土台であるので、そう考えると「頬骨を上げる」際に一緒に動くのは妥当でしょう)。

ここから、下の図を見ながら読んで頂きたいのですが、
頬筋の起始(筋肉のスタート)のひとつに翼突下顎縫線という靭帯のような部分があります。(下図の緑のあたり)
この翼突下顎縫線は上咽頭収縮筋の起始でもあり、上咽頭収縮筋は軟口蓋を上げる2種類の筋肉(口蓋帆挙筋・口蓋帆張筋)と隣接していて
軟口蓋の動きに影響があると考えています。
特に、翼突下顎縫線の上部は蝶形骨の翼突鈎という、口蓋帆張筋が張るための滑車の役割を果たす部分に繋がっているので
頬筋からの動きの影響は大きいでしょう。

また、この翼突鈎には噛む筋肉である外側・内側翼突筋もつながっていて、
このあたり一帯の筋肉全体が軟口蓋の動きに影響しているとも考えられそうです。

ここまでが、頬骨を上げる・笑顔をつくることで軟口蓋が上がり響きが変わると言われていることについて

筋肉から考えてみたことです。

では逆に、軟口蓋を押し下げる動きには、どんな筋肉が関わっているでしょうか?

軟口蓋を下制する筋肉に口蓋舌筋・口蓋咽頭筋があります。
口蓋舌筋は、名前の通り軟口蓋からスタートして舌で停止している筋肉です。
そして口蓋咽頭筋は軟口蓋からスタートし、甲状軟骨(声帯がくっついている軟骨)の上で停止します。
甲状軟骨は、舌(舌筋)→舌骨→甲状舌骨筋→甲状軟骨という流れでぶら下がっているので
いずれも舌の影響をもろに受けるわけですね。

ということで、舌の過度な力みや押し下げと軟口蓋が下がることは関連が深いと言えそうです。

同じ理由(舌の力み)から、「喉を開く」つもりで舌を過剰に使う動きも下制に加勢していそうです(ギャグじゃないですよ)。



因みに軟口蓋を上げるために頬を上げる というのは両方から完全にイコールの関係ではなく、
他の方法で上げることか可能ですし、また、緩めることで上げる方向に実現することもできますね。
「頬を上げる」という一般的に説明・実現しやすい言い方にすることで汎用性を高めているんだと思います。
そんなこんなで、今日は軟口蓋について考えてみました!

まっさらのさら

アカペラーさら(アレクサンダー・テクニーク教師資格取得に向け勉強中!)の日々の発見・気付きをシェアするブログ。