発音を生み出す仕組みをクリアに

こんにちは。さらです。

キャシーと重子さんのレッスンから学んだことをシェアする3回目。
重子さんとのアクティビティ・レッスンでの気付きについてです。

前2回に書いたキャシーとのレッスンで体感したことを前提に
重子さんのレッスンでは「パワフルな高音の地声で、発音・響きが平たく横に散りがち」であることについて
私のやっていることについて新しいアイディアが欲しい という内容にしました。

重子さんはプロの歌い手なので、前提として、今回私が目指すものがポップスの曲かつ地声ベースで という点を確認した上で、
提案をして下さっています。
(クラシックなのかシャンソンなのかゴスペルなのかなどなどによって、必要な音域や発声の条件が異なるためです)。

実際に私がうたっていて気になっている箇所の動きをみた上で、まず最初にどんな提案があったかというと、
「顎」「舌」「唇」それぞれの基本的な動きの方向性を確認してみましょう、というものでした。

まず「顎」について。
顎は顎関節を支点として振り子のように動きます。
まっすぐ前方や下方に動かそうとする動きが見える人は多いのですが、実際は円周上を移動するように動きます。
次に「舌」について。
物を食べたり話したりする中で、舌はかなり複雑かつ繊細に動ける組織であることは日々体感していると思います。
で、その中で、基本的で大きく動ける動きが何かというと、舌を出す方向の動きですね。
舌は前方に出て、また戻ってこれる。
そして「唇」について。
唇まわりにある筋肉である口輪筋は、口を閉じたり唇をとがらせる方向に働く筋肉です。
(逆にひらく方は頬筋やオトガイ筋、頬骨筋など、口輪筋につながる多くの筋肉が関連しています)。
これらの実際の動きを、自分の身体でひとつひとつ丁寧に確認した上で次にやったのは、
両手を唇の両端~頬あたりに添えて、件の箇所をうたう というものです。

これはシェアその2でキャシーに教わったエクササイズの実践編に近いと感じたのですが、
やってみて最初に気付いたのは、
手によって唇に制限のある状態でもパワフルな発声&さほど不自然ではない発音が可能 ということでした。

1回目にやった時は多少できていない発音がありましたが、
・手のひらによって唇の動きが制限された状態
・顎&舌&唇 の3つの動きから何を使えば発音ができるかの体感的な考察
この2ポイントの組み合わせを使うことによって
発音のために何が必要で何が不要で、どの動きが新しく使えるかが整理されてきていたため、
2・3回試すだけで新しい発音のための(広義の)口の使い方が見えてきました。

発音が平たく散ってしまう私が変更すると良かったポイントは、実際に「発音」をどこが作っているのか を知ることで、
それを最初の3箇所の動きの明確化と、効率的ではない動きを抑制することの掛け算で
身体と脳に新しい体験をしてもらうことができたのだと、思っています。

また、おそらくですが「パワフルに」というイメージが
唇を必要より大きく動かそうとさせていたと思います。
実際には声の大きさは、イコール口を大きくあけること、ではありませんね。(息の量が増えることです)。

このレッスン中に同時に気付いたのは
「うたうこと」にまつわる口付近・喉付近の構造や機能について、
以前よりは各所の役割分担を認識・理解してきていると思っていたのですが、
実際声が出るために必要な息の向き、どこに当てる意識を持つか、口蓋および舌の状態、発音のための唇の機能
などを実際コントロールする際に
かなりの部分を一緒くたにまとめて動かそうとイメージしていた、ということです。

歌うこと自体は誰もが幼い頃からやっているので
その長年の習慣に基づいて何となくできてしまっている気になっていることがたくさん含まれている。
その中で今の自分の課題に必要なものを細分化して今一度確認することの
大切さと有効性を、あらためて感じました(o^^o)

まっさらのさら

アカペラーさら(アレクサンダー・テクニーク教師資格取得に向け勉強中!)の日々の発見・気付きをシェアするブログ。