喉の負担と禁止事項のブラッシュアップ

こんにちは。さらです。

「喉」に負担なく発声を続けるために、自分の身体の使い方を少しずつブラッシュアップしたり実験したりする日々ですが
先日改めて気付いてしまったことがあります。

まず、あえてカッコ付きで「喉」と書いたのは
何度かこのブログでも書いていますが、「喉の負担を減らす」とか「喉の力を抜く」といった文脈で言われることは
かなりの部分、舌と顎(でも主に舌ですね)によって解消する
つまり舌(プラス顎)の問題であって喉そのものの問題ではないことが多いと、体感からも他の人の観察からも考えているからです。

例えば「喉を下げ」続けることで安定した発声を試みるような指導はよく見られますが(本質的には間違ってません)
そのために実際に本人がやっていることは舌の奥の方の押し下げ、という場合は多いです。
喉仏にあたる部分は舌(舌筋)→舌骨→甲状舌骨筋→甲状軟骨(喉仏)と、舌から筋肉と骨(軟骨)によってぶら下がっている形になっていて
見た目上ここを下げようとする場合に舌を使っているのですが「喉」だという感覚が返ってきやすいんです。
「喉をあける」という指導を受けて声を出す場合も同様のことが起きている場合が多いです。
(他に甲状軟骨を下降させる主な筋肉に胸骨甲状筋がありますが、これは主にものを飲み込む際に発動する筋肉です)。
また、顎に力を入れて前&下方向に張ることで、喉を下げたりあけたりを実現しようとしていることもあるように見えます。

こういったことから考えて、発声を安定させていく中で「喉」の負担を減らしたい場合に
それは「喉」の仕事ですか?「舌」の仕事ですか?ということを精査することはとても役に立ちます^^

ベルティングを教わる際にも先生に「喉の力みをとって」と再三言われたのですが、
構造的に「喉」そのものに力を入れることが不可能だということは当時知っていたので
(気道&声帯まわりは軟骨です)(また、それが声帯をコントロールする筋肉だとすると、パワーがないと音程が変化しません)
アレクサンダー・テクニークのレッスンで「舌」というアイディアに辿り着くまで試行錯誤がうまくいかず、かなりストレスフルでした。

ちょっと脱線しました(o^^o)

舌モンダイとともに取り組んできた最近の課題に、顎モンダイもあります。
上に書いたような理由で顎をつかう習慣は、私にはなかったのですが
「口を大きく開ける」ことと「声のボリューム」に、過度に相関性を感じていた という(多分)視覚情報による思い込みがありました。

ちょっと考えてみると分かるのですが、
音量を上げるために本質的に必要なのは「息の量」です。
ただ口を大きくしても息の量が変わらなければほぼボリュームに差は出ませんよね?
(ちょっと大きくなりますが、響きの変化による部分がメインだと思います)。
なので、息を必要なだけ安定して吐いていけるよう、腹横筋や腹斜筋などのより内側の腹筋群が働いてくれるように意図して練習しています。

で、ここから今日の本題なのですが(ここまで長かった!)
舌は顎の動きに静かについてきてくれる というアイディアと、
顎はたくさん動かさなくても発音・ボリュームにさほど影響がない というアイディアを実現しようとして
必要より多く、「顎(ひいては舌)を固定する」ように身体を働かせているぞ?ということに、気付いてしまったんです。

アレクサンダー・テクニークを学ぶと、建設的で合理的な身体の使い方を自分でブラッシュアップしていけるようになってきます。
が、どうしても今までの習慣的な考え方で「これの方がより良い!=その逆はNG><」という考えが私は混ざりやすいみたいです。

舌は発音のためにはずっと動いているので、完全な脱力はできませんし(てか完全に脱力すると多分気道がふさがって息ができません←)
顎も、吐く空気や必要な響きや共鳴のために(ボリューム含め)、必要なだけあいてOKなんです。

そして、そのことを意図しながら、腹筋群や股関節含め全身が私がうたうことに協力してくれると信じて発声したところ
舌の位置が微妙に変化したこと&顎が自然に(その前より少し大きく)ひらいたことに気付きました。
(もちろん、響きやボリュームにも変化がありましたよ!わーい)


「適切さ」がどの程度かの判断は毎瞬毎瞬、そして人ややりたい事によって異なるので、一概に「この形」というのはありません。
先生のサポートや自分の経験の積み重ねで、ずっと変化があるものだと思います。


知識・理解・体感をもとにしつつ「Yes」プラン(肯定的なプラン)で自分が動いていくことが大切だと
(否定プランの影に気付いて)改めて感じました。

こういう「あ!なるほど」て瞬間は大切です(o^^o)

因みに舌の話で余談ですが、

歌う中で、発音そのもに対する舌の動かし方の精査は自体は絶対に必要です。

ただ、習慣化とバリエーション集めが増えてくると、さほど意図して無理に舌を動かさなくても発音できる という点で、

舌ってそんなに力入れなくてもいいよね?という考えに現時点では至っています。

まっさらのさら

アカペラーさら(アレクサンダー・テクニーク教師資格取得に向け勉強中!)の日々の発見・気付きをシェアするブログ。