頭と脊椎?その②
こんにちは。さらです!
頭と脊椎の関係がいいってどういうことだろう?を考える2回目です。
1回目で、「頭」「脊椎」の雰囲気を少しだけ具体的にしてみました。
今日は、その関係についてのお話です。
アレクサンダーさんが何年も鏡に写った自分を観察し続ける中で途中気付いたのが
朗唱をするのに声を出そうとする時、頭を押し下げている、
そしてそれをやめたくても上手くやめられない
ということでした。
この点についてまたも実験と論理的な積み重ねをしていった結果、
頭が自由に動けると、声を出すことに限らず全身が協調して上手く使える という結論に達します。
頭を押し下げないことが身体運動に影響するというのは
解剖学的にも正しいことが現代では分かっています。
その①で見てもらった頭と脊椎の接続地点のあたりには
後頭下筋群という、ものすごく繊細に働いている筋肉たちがあって、
この筋群が頭のバランス調整役をしてくれています。
深いところにあって直接さわることはできないのですが
こんな感じに後頭部から頚椎のてっぺんについている筋肉です↓
これらは全身の平衡感覚を司っている場所のとても近くにあるので、
後頭下筋群の働きを阻害しないことで、
全身がその瞬間瞬間に最適にバランスしてくれるようになるんです。
人間って脊椎動物なんですね。
なんだよ当たり前じゃん!と思うかもしれませんが、
私は「脊椎動物」というコトバとその表面的な事実しか知らなかったなぁと最近思います。
毎日立って歩いているので全然念頭になかったのですが、
脊椎動物って本来「頭から」前に進むんですよ!えーそうなの?
魚とか蛇をイメージするとわかりやすいかもしれません。
動きのスタートである頭と、胴体から下を、いい感じにバランスが保てるように自動制御してくれている場所に
5kgほどあるといわれる重たい頭(5kgのお米の袋、重いですよね…)を繊細に支えてくれている後頭下筋群の動きが影響している。
そこを縮めずフリーにしておく(いい関係でいる)ことは、
身体のバランスのために余分な力をつかったり動きを追加したりしなくてすむ→やりたい事のために適切な身体の使い方ができる ということになります。
なんてったって全身はつながっているので!
「プライマリーコントロールが働いている」
とアレクサンダー・テクニークで言うこの繊細さを生かす自由が
何かをするときにずっと起きていてくれるように考えている。
これがアレクサンダーテクニークのスタートなんだと思います。
これにはもちろん決まった「型」はなくて
よく「お願いする」という言葉が授業中に聞かれますが
そうであることを考えている というのを意図するようにし続けているうちに
だんだんと身についていくもののようです。
そして、アレクサンダーさんが当初やろうとしてもなかなか思った通りにできなかった
この頭と脊椎のいい関係は
「望み」があることで働きやすくなります。
やりたいことがはっきりした瞬間に
頭と身体全体が微細ながらするっと動き始めるのを
アレクサンダー・テクニークのワークの中で何度も何度もみました。
やりたい!て考えはすごいですねー。
もしこの頭と脊椎の関係について興味を持ったら、簡単な実験があります^^
首の後ろのあたりをぎゅっとすくめて、
歩くとかものを食べるとか何でもいいのでやってみてください。
けっこう辛くないですか?
こんな大げさなこと普段やってないし!と思うかもしれませんが
すごく小さなレベルでも全身に渡るころには意外と大きな作用だったりします。
耐震構造のビルが揺れた場合の1階と最上階の差のイメージです。
さて。明日は全身の協調作用について
具体的に、ではなく(!?)私の考えていることを書いていこうかと計画しています。
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