息の「支え」って、ナニ?
こんにちは。さらです。
今回のシームレス&ストレスフリーな声を手に入れるアイディアは、いわゆる「息の支え」の仕組みについてです。
「お腹の支え」の場合もありますね。
「支え」の状態とは?ということから考えてみたいと思います。
まず、息それ自体は支えになり得ません。
圧力の差によって肺から空気が出入りするのが息なので、空気それ自体が意図をもって何かを「支え」てくれることはなさそうですね。
では、支えてくれるのは「お腹」なのでしょうか?
これは、半分くらい正解かなぁという感じです^^
前回・前々回に書いたように、息を吐く際のメインの筋肉は胴体まわりの筋肉(プラス骨盤底筋群)なので、
お腹が仕事をしてくれるおかげで意図的に息を吐くことができるとも言えそうです。
(意図的に と書いたのは、睡眠時などは基本的に呼気筋が働いていないからです)。
ただ、腹横筋などの腹筋群だけでは「支え」の状態にはならないということに
特に前々回のブログを読んで下さった方は気付くかもしれません。
私が腹横筋について書いた時に欲しかったのは、コレ→「息のスピード」
で、今回考えたいのは、こっち→「息の支え」
スピードは、効率よく爆発的な力を出せると実現しそうです。
だからこそ、腹筋群を利用して内臓を絞り上げることに重点を置き、ついでに胸周りの負荷を減らすことで
息の通りをスムーズにして、パワーをスピードに換えられるような提案を前2回でしたわけですね。
では「支え」は?
実際に息の支えが欲しい・要求される状況を考えてみると分かるのですが
安定性や拮抗する力が求められる場面だと思うんです。
例えば、同音量・音程のロングトーン。
ボリュームと音程の両方を一定させるには、常に変わり続けている空気(減っていくので)を安定した量・スピードで吐くことが必要です。
繊細な高音なら、息のスピードは必要だけど量は落としたいという2つの相反しそうなコントロールになります。
スピードのみのパワフルな息の流れは「支え」とは違うことが起きますね。
起きてほしいのは、息を吐く力と吸う力がそれぞれ綱引きをしている状態、と言えると思います。
綱引きの大会の映像とか見て頂くと分かりやすいのですが、競合同士の試合は最初ぜんぜん、動かないんですよね。
でもこれ「動かない」のではなくて、動きの中で力関係が安定(一定)しているからです。
息でもこういう状態が欲しい。
そこで、「KKK」の登場です。(なんだそれ!)
「呼気時の吸気的傾向」の頭3つをとって、「KKK」だそうです。
息を吐くときに、吸気的な状況(横隔膜が下がり肋骨が広がり肺の容積が上がる)を加えることで
だた息を吐くだけの力に拮抗する力をぶつけて、安定させるようなやり方です。
主な吸気筋でありインナーユニットでもある横隔膜が大きな役割を果たすと思います。
横隔膜を通常の呼気時より張り続けることで、「支え」状態を作り出すことになりますね。
この動きを探求するためのウォームアップについても書きたいと思います。
まず少し深めにゆっくり呼吸をする→その際に自分の肋骨(横や後ろも)に触れながら、胸郭が広がったり畳まれたりするのを確認する
→「S」で息を長く吐き、その間横隔膜が下に下がり続けるようなイメージで吐き続けてみる
みたいなことが有効だと思います。
(腕・肩を押し下げるような力は不要なので、「S」で吐く時に腕を上げてやってみてもいいかもしれません^^
そして「息の支え」「お腹の支え」のポイントがもう1つあって
上にもちらっと書きましたが、支えている間も私たちの身体は「動き続けている」ということです。
「支え」という言葉だと動きがないようなイメージが連動しやすいと思いますが
拮抗する力が働いているということは、動きがあるから初めて力が働いているわけですし
何より止まっていては息が吐けません。
身体の中のバランスが変わり続けている中で、動かし続けることで「支え」状態を発生させていることはぜひ、覚えていてほしいです☆
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