リップトリルを使った発声練習の効果ってなんだろう?その②

こんにちは。さらです。

前回に引き続き、リップトリル(リップロール)ってどんな効能が?ということを
さら的視点から考えてみようと思います。

私が調べていくつか見られた効果効能のうち、今回は
・低音〜高音までスムーズにつながる
・安定して息が使える
・横隔膜が鍛えられる
・音程が正確になる  を一気にみていきます。
全て呼吸(呼気)のコントロールに関わる部分だと考えました。

リップトリルで発声する時に大きな音や締めた地声で発音していない という点を前提としておいた上で、
「う」もしくは「え」の口でリップトリルを安定してやろうとすると
吐き出されてくる息の流れがある程度一定していないと止まってしまったり逆に必要以上にぷるぷるしたりします。
なので、まず「安定して息が〜」の件はリップトリルの必要条件であると思います。

そしてその安定した呼気を可能にするためには、横隔膜や肋間筋・腹横筋なども含む腹筋群・骨盤底筋群といった
胸腔・腹腔を取り囲む筋肉たちにしっかり働いてもらう必要がありますね。
(呼気の際に働いてほしい筋肉群について以前いくつかブログを書いたのでそのあたりもぜひ読んでみてください^^)
横隔膜は随意筋なので意図してコントロールが可能です。
どの程度「鍛える」ことが可能なのかはちょっとわからないのですが
その他の筋肉にも活躍してもらうことも一緒に意図しつつリップトリルで発声することで
一定の音量を保ちつつ音の高低を生むためにどの程度の息圧が必要か身体に覚えてもらうことが可能です。
なので、(横隔膜が実際「鍛えられる」かはさて置き)横隔膜を使う・息を吐くことについての鍛錬が可能とはいえそうですね。

そして低音〜高音がスムーズになる件・音程が正確になる件も
この息の流れの安定が大きな役割を果たしています。
声帯の開閉にプラスして音の高低には息のスピードもキーになりますね♪
リップトリルで発声練習する際に力を抜くことを求められるのは、
舌を上げたり押し下げたり、声帯のポジションを変えたり、軟口蓋を下げたり etc. をなるべくさせたくないという狙いがあると思うのですが
その状態でスムーズに音程を変えていったりスケールを正確に出すためにはどの程度の息がその音程のために必要か、かなり繊細なコントロールが必要です。
そのコントロールのための身体の使い方を、リップトリルで身につけていく という意図・効果はあると考えています。
なので、低音〜高音への繋がりやピッチの安定化にも、リップトリルは有効な練習のひとつだと考えています。

そして私が、これが1番いい効果なのでは?と思う点がもう1つ^^
それが、「習慣的な『うたう』から離れることができる」ことです。

そもそも上に書いたように、意図した音程が意図しただけで出せるって、ものすごく繊細なんです!(すごいんですよー)。
しゃべっている時の音の高低や抑揚だって同じで、つまりはその繊細なコントロールは普段からみんなやって、できているのですが
「うたう」と考えた瞬間に「しゃべる」とは違う、うたう用の、その人それぞれが知らず知らずのうちに習慣化させたポジションに
身体が変わる ということが多かれ少なかれ起きています。
リップトリルでの発声は、
唇の使用・口腔内の圧力・息への注目・積極的な口の中の脱力など
普段の発声と違うこと尽くめの発声をすることで
トクベツなセッティングになってしまっている「うたう」「発声する」から離れることができる という点が
魅力的なのではないかなーと思っています。

「うたう」に際し無意識にやっていることが人それぞれ違うからこそ
リップトリルの効果としてうたわれていることが多岐にわたるのでは?と思うんです。
人それぞれで異なる、意図せずやっていた習慣から離れることができたから
得られた効果も色々バラバラなのかなぁと。
いずれにしても、リップトリルも他の発声同様、誤ったやり方をすると喉を悪くしたり意図せぬ癖ができたりします。
きちんとした先生に教わった上で、自分でそこから得られる効果も精査・検討しつつ
練習に取り入れていきたいですね^^

まっさらのさら

アカペラーさら(アレクサンダー・テクニーク教師資格取得に向け勉強中!)の日々の発見・気付きをシェアするブログ。